日本海セトロジー研究グループ第9回研究会
The 9th Study Meeting of
the Sea of Japan Cetology Research Group at
Marine World Umino-nakamichi in Fukuoka, Japan

June 6-7, 1998

ごあいさつ

(In English)


Marine World Umino-nakamichi photographed 06/07/1998

今日,地球環境や自然保護の問題に人々の関心が高まっております。一方,鯨類の自然における行動や習性を観察するウオッチングも各地で盛んになって参りました。物見遊山的な要素の強かったウオッチングから,鯨類の専門的知識を持った解説員によるレクチャーが受けられるなど知的好奇心を満足させる観察会へと変わりつつあります。

このような時代変化の中で10周年目の記念すべき日本海セトロジー研究会を海の中道海洋生態科学館で開催できますことを光栄に存じます。本研究会で発表されます成果が,必ずや鯨類学の貴重な資料となるものと確信いたしております。

今後ともご参加の皆様から,鯨類に対する興味と関心を高めるための教育・普及・啓蒙の諸活動を益々推進していただくことを期待してやみません。

     

海の中道海洋生態科学館
長 脇坂 征一郎

創立10周年を迎えて

日本海セトロジー研究グループ創立10周年を迎え,〈マリンワールド海の中道〉海洋生態科学館の絶大なご理解とご支援のもと,第9回研究会ならびに平成10年度総会を開催することになりました。まずは,ご協力いただいた皆さまならびに関連機関に厚く御礼申し上げます。

本グループ(以下,セト研と略称)は,1988(昭和63)年3月3日,石川県能都町漁協に珍獣メソプロドンが水揚げされたことをきっかけに,故山田致知先生(金沢大学名誉教授)を中心として設立の話しが持ち上がり,同年12月2日から3日間の日程で開催されたシンポジウム「日本海と鯨類」(夢半島のと推進委員会主催)において実質的な旗揚げをいたしました。その間の経緯については,セトケンニュズレター3〜6号に米田満会員(北國新聞論説委員)が情熱をこめて書いておられます。メソプロドンに象徴されますように,鯨類は,日本海という身近なところに多数生息しているにも拘わらず,依然として謎の多い動物です。そこでセト研は,鯨類に関心のある人々の結集をはかり,会員相互の協力と連帯によって,日本海域の鯨類についての研究や普及活動を促進しようと結成されたのでした。

初代代表,山田致知先生は解剖学がご専門でしたが,賛同者は,生物学・古生物学・水産学などの自然科学系はもとより,歴史学・考古学・民族学などの人文・社会科学系をも含む,専門家から一般市民までの各界各層にわたります。これら多岐にわたる人々のあいだに情報ネットワークをつくり,鯨類が漂着したときに適切な対応をとろうというのが,本会のめざすもっとも重要な行動目標となっています。この目標を念頭に毎年,総会に合わせて研究会を開催し,定期刊行物『日本海セトロジー研究』,情報誌『セトケンニューズレター』を発行,インターネットホームページ(http://www.wingz.co.jp/ceto.html)も開設しております。

平成9年度総会で児玉公道前代表のあとを受けて三代目の代表に選ばれた私は,動物考古学にたずさわるうちに鯨類と深い関係になったわけですから適任とは言い難いのですが,今年度研究会・総会をぜひとも成功裏に導きたく微力を尽くしてまいりました。幸い勤務先の金沢医科大学には,所属員が会長をつとめる学会に開催補助金を出す制度がありますので,これによって発表要旨集などに必要な資金を得るめどがつきました。また,山田致知先生のご長男でセト研の漂着専門委員長でもある山田格会員(国立科学博物館)からのお申し出により,致知先生がセト研のためにと遺されたご厚志をもとに,ニュージーランドからR・E・フォーダイス博士をお招きすることもできるようになりました。さらに,アムウェイ・ネイチャーセンターからセト研に寄せられた助成金の一部も当研究会に活用させていただく見通しです。

さて,会員以外に西日本鯨研究会など関連団体にも当研究会のご案内を差し上げ,ひろく参加を呼びかけましたところ,これまでの最多記録を上回る70名以上の参加申し込みがありました。今回の福岡での開催が日本海セトロジー研究にふさわしい新たな活動展開のきっかけになるようにと念願してやみません。


                        
                           日本海セトロジー研究グループ 代表  平 口 哲 夫

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