世界連邦運動協会石川県連合会主催
シンポジウム“中東和平促進と世界連邦運動”
《速 報》
日 時:平成16年11月27日(土) 14:00〜16:30 会 場:香林坊アトリオ4階アトリオサロン(金沢市香林坊1-1-1) 参加費:無料 14:00 開会挨拶:世界連邦運動協会石川県連合会会長 杉山 栄太郎(すぎやま・えいたろう、金沢都市開発株式会社代表取締役社長) 来賓挨拶:金沢市長代理 赤穂 敏広(あかお・としひろ、金沢市助役) 14:15 基調講演 講師:四方 八洲男(しかた・やすお) 綾部市長、世界連邦宣言自治体全国協議会会長、世界連邦推進日本協議会副会長。1940年兵庫県西宮市生まれ。1963年京都大学経済学部卒、三菱重工に入社。1978年から綾部市議を2期、1987年から京都府議を3期つとめ、1998年綾部市長に当選。「中東に和平を!地球市民実行委員会」の実行委員長。
演題:一滴の水を大河に=今こそ世界連邦を!=
(左:四方綾部市長、中央:杉山会長、右:挨拶に訪れた山出金沢市長) ・パネリスト:桜井 瑞彦(さくらい・ずいげん) 浄土真宗本願寺派明泉寺住職・ビハーラ推進協議会企画研究部会長・社会福祉推進協議会副会長。1935年石川県鹿島町生まれ。中央大学法学部卒、金沢大学社会教育研究室を経て、鹿島町公民館館長・図書館長などを歴任。仏教を通して社会福祉・生命倫理関係の幅広い活動をしている。著書に『インド旅情』、『柔軟の人』、『ナイフとフォーク』、絵本『ちょうになった』、共著に『ビハーラ活動』、『人生の問い』、『珠玉の言葉』など。 発言要旨:「布施」の精神を実践の中心にすえた仏教界の支援活動、ならびに今年7月22日京都で開催された世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会主催シンポジウム「イラクにおける平和構築―諸宗教に課せられた役割」におけるイラクの宗教指導者たちの発言を紹介。たとえば、スンニ派のホワード・モハセン・ハマシ博士は、「非常に困難な状況にあるイラクのために世界各地の人々が人道的に連帯しようとしているのは、人間のもつ霊性による」という主旨の発言をしている。文明の基盤となる諸宗教の対話が平和達成のために必要であり、その観点から宗教多元論に注目したい。各地の宗教生活や隣人の信教の自由という点で具体的に示される「寛容と協調」の態度が大切だ。 ・パネリスト:小原 美由紀(こはら・みゆき) 平和サークルむぎわらぼうし会員。1964年石川県辰口町生まれ。京都女子大学短期大学部卒、三井信託銀行に勤務。現在、主婦(夫と3人の息子の5人家族)のかたわら、2001年10月のピースウォークをはじめ、講演会・写真展・映画上映など多彩な企画に取り組む。手話通訳者としても活動。共著に『戦争のつくりかた』。 発言要旨:最近始めた「シール投票」について。自衛隊のイラク派遣延長について街頭で賛否を問い、「賛成」「反対」「分からない」の三つに分けられたパネルにシールを張ってもらい、その理由を聞いてノートに記録するというもの。自分たちで世論調査してみようと金沢で始めた運動がインターネットを介して全国各地に広がりつつある。この方法だと、誰でも気軽に意見表明できるし、いろんな理由で賛成、反対、留保していることもわかる。このように平和運動の敷居を下げて、一般の人が意見をいう場をひろげるとともに、その素直な街の声を吸い上げマスコミや国会に届けている。11月16日朝日新聞長崎版に、世界平和アピール7人委員会のメンバーによる地球市民フォーラムの特集記事が掲載されている。その記事では、池田香代子委員が「シール投票」のことを紹介し、また、伏見康治委員が初代委員の湯川秀樹氏や「世界連邦」の考え方に触れている。 ・パネリスト:田村 光彰(たむら・みつあき) 北陸大学教授、世界連邦運動協会石川県連合会副会長。1946年宮城県仙台市生まれ。金沢大学大学院修士課程ドイツ文学修了。専門領域はドイツ語・欧州地域研究。著書に『統一ドイツの苦悩』、『ドイツ 二つの過去』、共訳に『ラディカル・エコロジー』、『ドイツにおけるナチスへの抵抗』、『ヨーロッパの差別論』、『ユダヤ人を救った外交官ラウル・ワレンバーグ』など。 発言要旨:世界連邦をどのようにして実現するかに焦点を当てる。第一にEUのような地域連邦の道、第二に国連改革の道、第三に国際刑事裁判所など世界法拡充の道、第四に自治体平和外交の道、第五にNGOの国際的連携・協働の道が考えられる。今回は特にNGO活動の例としてドイツの国際平和村について紹介する。これは、世界各地の紛争で傷ついた子どもを治療して帰国させるというボランティア活動をしており、すでに40年近い実績があり、2000余人の子どもたちをアフガンやソマリアなどに帰国させている。 ・基調講演講師:四方 八洲男(しかた・やすお) 発言要旨:世界連邦都市宣言にはすべての平和理念が含まれている。自治体の平和外交、市民一人ひとりの活動、さらに宗教者の活動も重要だ。マスコミの活用、若い人たちの新しい感覚の導入も大切である。多神教の国柄である日本は、世界平和への貢献が最もしやすい立場にある。太平洋戦争直後の国会で尾崎行雄(咢堂)が世界連邦実現の提案をしたにもかかわらず、廃案となり今日に至っている。国会への働きかけも急務だ。 ・司 会:平口 哲夫(ひらぐち・てつお) 金沢医科大学教授、世界連邦運動協会石川県連合会副会長。1945年福井県敦賀市生まれ。1974年東北大学大学院国史専攻博士課程単位取得満期退学。専門領域は環境考古学。1997年来、日本海セトロジー(鯨類学)研究会代表。専門分野の授業以外に金沢医科大学と金沢シティカレッジで「戦争と平和」と題した授業を担当。共著に『若狭の海とクジラ』、『考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化』など。 発言要旨:日本における世界連邦運動の創設時の中心人物は、政治家の尾崎行雄、学者の湯川秀樹、宗教家の賀川豊彦のお三方で、湯川夫人のスミさんが後を継いでご活躍中である。これにあやかるように綾部市長の四方さん、浄土真宗の桜井さん、大学教授の田村さん、主婦の小原さんにご登場いただいたのは、なかなかよい試みであった。また、世代的にも70歳前後から40歳前後までの幅広い人材を得たこともよかった。会場には20歳前後とおぼしき若い人の姿も見受けられる。今後はそのような若い人にも活躍していただき、世界連邦運動が若さあふれ、各界・各世代の交流・協働の場となることを期待する。 16:25 閉会挨拶 世界連邦運動協会石川県連合会副会長 橋爪 義守(はしづめ・よしもり) 16:30 閉会 |