第28回世界連邦日本大会(金沢2009)
大会役員あいさつ

(プログラムから転載)

杉山 栄太郎 (すぎやま えいたろう)

第28回世界連邦日本大会実行委員長
世界連邦運動協会石川県連合会会長

 
 
このたび金沢の地で開催される第28回世界連邦日本大会に、ご来賓をはじめ地元石川県はもとより全国各地から多数の方々がご参加くださり、まことにありがとうございます。また、日頃、世界連邦運動に深いご理解を寄せられ、献身的にご協力くださっている皆様に深い敬意を表するとともに心から感謝申し上げます。
 
当地で世界連邦日本大会が開催されるのは、昭和34(1959)年の第1回大会、昭和41年(1966)年の第6回大会につづく三度目、実に43年ぶりのことです。しかも、今年度は中東和平プロジェクトや世界連邦宣言自治体全国協議会総会も金沢で開催されましたので、ひとつの機運を感じます。
 
先の国連会議の全体像を見ましても、まさに地球は一つ、人類はみな同じとの思いを深くします。すべての人が心豊かに平和で秩序ある社会生活を営むことができるようにしたいものです。そういう意味においても、この日本大会が成功裡に終わることを心から祈念して、歓迎のご挨拶といたします。
 
なお、金沢の地は400年にわたって震災、戦災にあったことがなく、中世以降の文化的遺産が数多く残されていますので、ご来県の機会にご散策いただければ幸いに存じます。



四方 八洲男 (しかた やすお)

第28回世界連邦日本大会会長
世界連邦推進日本協議会会長代行/京都府綾部市長


 
第28回世界連邦日本大会が金沢市文化ホールにおいて「世界連邦の実現に向けて〜グローバル福祉社会の道を考える〜」をテーマに開催されることを喜ばしく存じます。
 
世界連邦運動は、地球に生きる人々が互いに連帯し、世界の恒久平和を築くことを目的として、60余年前に始められた平和運動です。この運動は、世界を一つの国にするのではなく、一国では解決できない紛争や環境問題など地球規模の問題を解決する仕組みを作ろうとしています。
 
現在の国連体制では、戦争を防ぐことがなかなかできません。世界連邦が実現すれば、法による支配を重んじ、争いごとは世界裁判所が裁くことになります。この礎になるのが国際刑事裁判所です。世界の安全保障は、世界連邦政府に直接募集・訓練された世界連邦警察軍によって守られます。各国の軍備は不要となり、縮小または全廃されるのです。
 
昨今、核軍縮に関する機運が高まりつつあります。核廃絶は世界連邦運動の原点でもあります。本当に核兵器をなくせるように、われわれ市民の側から後押ししなければなりません。
 
本日、基調講演にお迎えしている上村先生には、国際連帯税についてお話ししていただきます。国際連帯税はグローバル・ガヴァナンスの財政基盤を考える上で要となり、世界連邦実現の道に通じる構想です。
 
私どもは、尾崎行雄や賀川豊彦、湯川秀樹、アインシュタインをはじめとする諸先達が夢見た世界の平和と人類の共生を実現する世界連邦を、国連の改革等を通じてすみやかに実現するために、皆様と力を合わせてより一層邁進し続けて参ることをここに誓います。



宇都宮 憲爾 (うつのみや けんじ)

世界連邦運動協会会長代行

 
金沢市文化ホールにおいて「世界連邦の実現に向けて〜グローバル福祉社会の道を考える〜」をテーマに第28回世界連邦日本大会が盛大に開催されることは大変素晴らしいことと存じます。
 
世界連邦運動は、暴力や軍事力でなく、世界法による世界平和を目指しています。その礎と言えるのが、2007年10月に日本政府が加盟した国際刑事裁判所です。これは世界連邦運動関連諸団体の方々の努力が結実した結果であります。理想的すぎると言われることの多い世界連邦構想ですが、近年はこうした達成可能な目標を積み上げるというスタンスで臨んでおります。昨年、当協会が活動目標に掲げたクラスター爆弾禁止についてオスロ条約が締結され、日本政府が今年7月に批准したことも大変喜ばしい出来事の一つです。
 
本日、国際連帯税について上村先生にお話ししていただきますが、国際連帯税は貧困・環境問題を解決するグローバル・ガヴァナンスの上で要となるもので、世界連邦の概念に通じるものです。
 
また、今一度確認しておきたいのは、世界連邦運動は核兵器の廃絶を目指してはじまったものだということです。来年の核拡散防止条約(NPT条約)改定を控え、オバマ大統領が積極的な核削減策を打ち出すなど、核廃絶の機運が高まる今こそ、わたしたち市民社会が後押しが必要です。
 
紛争や環境破壊などが人間の作り出したものであるなら、それは人間か解決できるはずです。そのための仕組みが国家を超えた主権を持つ世界連邦という仕組みです。ここにお集まりの皆様とともに世界の恒久平和を打ち立てるべく邁進したいと存じます。



谷本 正憲 (たにもと まさのり)

石川県知事/第28回世界連邦日本大会顧問

 
第28回世界連邦日本大会が、石川県で盛大に開催されますことを心よりお慶び申し上げますとともに、世界の恒久平和の実現を目指して、半世紀以上にわたり活動を続けてこられた世界連邦推進日本協議会の皆様方に深く敬意を表します。
 
戦争のない平和な社会の建設は世界の人々の共通の願いでありますが、世界各地では、テロや民族紛争が多発しています。また、飢餓や難民で苦しむ人々への対応、地球規模の環境破壊や温暖化なども大きな課題となっており、その解決のために世界的な取り組みが求められています。
 
このため、各国協調による新しい世界秩序の構築に向け、国連を中心として努力が続けられていますが、世界平和の実現のためには、なにより私たち一人ひとりが同じ地球人として、国境を越えて相互に理解し、助け合うことが大切であります。
 
地方自治体も、国際社会の一員として、国際交流・協力に対する積極的な取り組みが求められており、本県におきましても、日本語研修やホームステイ、伝統文化体験を組み合わせた海外研修員受入など、本県の特色ある国際協力・国際貢献を推進しているところです。
 
こうした中、世界の恒久平和を目指す本大会が開催されますことは誠に意義深く、実りのある成果を納められることを期待申し上げます。
 
終わりに、世界連邦推進日本協議会並びに世界連邦関係団体の益々のご発展を祈念申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。



山出 保 (やまで たもつ)

金沢市長/第28回世界連邦日本大会顧問


第28回世界連邦日本大会が、ここ金沢市において盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。世界連邦推進日本協議会の皆様におかれましては、これまで世界の恒久平和を目指して、世界連邦の理念を全国に広める運動に取り組まれ、国際的な友好親善の進展に大きく貢献してこられましたことに深く敬意を表します。
 
幸いにも金沢市は、これまで戦火にさらされることなく、平和のうちに固有の伝統文化を築き上げてまいりました。しかしながら今もなお、世界の各地では悲惨な紛争やテロ行為が行われ、多くの尊い人命と貴重な文化が失われ続けております。またそれに伴う難民や飢餓に苦しむ人々への対応、地球温暖化や砂漠化といった、地球規模で対応すべき課題も数多く存在しております。
 
金沢市では今年7月30日から1週間、イスラエルとパレスチナの紛争等で家族を失った高校生を招き、市民とともに平和交流を行う「中東和平プロジェクトin金沢」を開催しました。高校生たちは大学生やホストファミリーをはじめたくさんの人々と交流する中で平和の大切さを実感し、平和な未来を築いていくという希望と、平和に向けての対話の重要性を強く感じたことでしょう。また金沢市民も平和都市金沢の重要性をあらためて認識し、平和を守り伝統を受け継いでいく大切さを考える契機となったことと思います。

金沢市では、「世界連邦平和都市宣言」および「平和都市宣言」により、今後とも、世界中の人々が手を携えての人類福祉の発展と恒久平和の実現に向けて努めてまいりたいと考えております。
 最後に、世界連邦推進日本協議会のさらなるご発展と世界の恒久平和の実現を心から祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。



江田 五月 (えだ さつき)

世界連邦日本国会委員会顧問/参議院議長
 
 
世界連邦推進日本協議会による第28回世界連邦日本大会が金沢市で開催されるにあたり、全国からご参集の皆様に深い敬意を捧げるとともに、お祝いを申し上げます。

世界にはさまざまな紛争が続いておりますが、昨年のクラスター爆弾禁止条約成立、本年のオバマ大統領による核廃絶の演説など、軍縮・平和への明るい兆しも見られます。核廃絶・平和・軍縮の分野だけでなく、絶対的貧困の解消、過剰な国際投機の抑制、難民問題、地球環境問題など国家を超え、世界全体で取り組むべき課題がますます増加しております。

このような現状を考えますと、今まさに時代は世界連邦の方向に動いていると言えましょう。私ども世界連邦日本国会委員会も、世界連邦関係団体の皆様方、グローバルな課題に関心をお持ちの方々と協力して運動を進めて参ります。

本日の会場である金沢市ではこの夏、世界連邦宣言自治体全国協議会との連携で、イスラエルとパレスチナから遺児を招いて交流する事業「中東和平プロジェクト」が行われました。また、その機会には参議院議長室にも訪ねていただき、私も遺児の皆さんとお会い致しました。この事業は、民族・宗教を超えて手を携えるという、まさしく世界連邦の理念に合致したものであり、最も具体的で意義ある活動であると思います。

そのような地で行われる本日の大会が、実りある成果を収めることを心より祈念して私からのご挨拶に代えさせていただきます。



 
田中 恆清 (たなか つねきよ)

世界連邦日本宗教委員会会長/石清水八幡宮宮司
 

第28回世界連邦日本大会(金沢2009)がかくも盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げますとともに、開催にあたりご尽力賜りました関係各位に深く感謝の意を表する次第です。

世界連邦日本宗教委員会は、昭和38(1963)年に発せられたローマ教皇パウロ6世による第二バチカン公会議の“信教の自由”に関する回勅にこたえて、昭和42(1967)年、当時の臨済宗円覚寺派管長朝比奈宗源老師を中心に、神道、仏教、キリスト教、教派神道、新宗教の代表によるわが国の超宗派の平和運動組織として発足しました。以来、わが国の主要都市教団において世界連邦平和促進全国宗教者大会を開催しております。本年は11月28日に真言宗智山派大本山川崎大師平間寺において『信仰者の使命と役割―地球の未来を創造する道―』をテーマに第31回大会を開催いたします。

「継続は力なり」の想いそのものが地球の未来を創造する道であり、「平和」と「環境」という、地球の今抱える大きな問題が壁に隔てられた二本の道の上にあるのではなく、表裏一体の関係にあり、双方の解決こそが地球の未来を創造する一本の道なのであるということを信じてやみません。
 
今はまだ長く複雑な道のりを別々に歩んでいるのだとしても、それはやがて一本の道へと繋がり、全ての人々がその一本の道を同じ目標に向かって歩み、未来への扉を開くことができるよう、本日この地にお集まりの皆様が先頭に立っていただき、一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げ、お祝いの挨拶といたします。