世界連邦日本大会(広島大会)に参加して
新たな段階に入った世界連邦運動

世連石川県連理事 干場 辰夫

 
 
世界連邦石川 34:3(2006.2.1)



第25回世界連邦日本大会が昨年10月1日、広島市で開催された。午前中は、主催者や来賓の挨拶等が行われたが、8月2日の「国会決議」の意義が強調された。この決議により世界連邦をめざすことが、まさに「日本の国是」となったのであり、今後は日本の外務省や内閣府の中に「世界連邦推進課」のような部署を設置するよう求めていくべきだという発言もなされた。

午後は、まずはじめにベストセラー『世界がもし100人の村だったら』の著者、池田香代子氏の講演の後、この大会のテーマである「世界連邦へのロードマップ」についてのディスカッションが行われた。そこでなされた意見を以下に集約したい。

世界連邦への道は、具体的には次の二つの方法が考えられる。

〈第一の道―国際連合の組織を改革し、機能を強化することによって〉本来、世界連邦が歩むべき一つの方向ではあるが、現在のアメリカは唯一の超大国として国連無視が目立ち、国連改革のネックになっている点、またそもそも国連自体が大国の拒否権を認める等、非民主的な組織である点で、この第一の道は難しい。

〈第二の道―世界中にEUのような地域共同体を形成し、それらが連合することによって〉他方、欧州連合(EU)は、既に共通通貨を導入し、欧州議会も設置している。現在、欧州憲法の制定で足踏みしているとはいえ、着実にミニ世界連邦へと進んでいる。アフリカ等の他地域においてもこうした動きがあり、最も遅れていた東アジアにおいて、東アジア共同体を形成しようとする動きが現在日程に上ってきた。こうした地域共同体の形成とそれらの連合による世界連邦への道が、より現実的なものではなかろうか。

もちろん様々なハードルもあるが、世界連邦運動は確実に新たな段階に入った。すなわち世界連邦に至るロードマップ(具体的な工程表)を作成する段階に。その先頭に日本が立つべきである。(金沢市議会議員)