世界連邦と私

世連金沢支部長 粟森 喬
  
世界連邦石川 31:1(2004.8.4)


この度、世界連邦に入会させて頂きました。入会したと同時に島村隆県連理事長から金沢支部長を引き受けるよう要請があり、戸惑いを感じながらも、多少新風を吹き込むきっかけになればと思い、承諾しました。
 
私は30年間、労働組合活動に従事していましたので、平和運動に関心は強かった一人でした。20世紀は、戦争の世紀と言われています。第一次世界大戦、第二次世界大戦をはじめ米ソ対立、民族独立運動等で多くの犠牲者が出た時代でした。

私が労働組合に関わるようになったのは、労働組合が平和の問題に熱心に関わってきたこともあります。一方で私自身は、インドの独立運動の指導者ガンジーの「非暴力・抵抗」の考え方に感銘を受けたこと、武者小路実篤の「ユートピア運動」等が原点にあります。「非暴力」や「ユートピア」は、決して夢ではありません。インドの独立達成や、「ユートピア」が小さいながら国内で、地方でいくつか実現しています。
 
世界連邦運動は、リベラル思想の原点です。夢に終わらせてはいけません。今でも南北朝鮮のように定規で線引きするような地域では紛争が絶えません。世界地図を見れば、アフリカ諸国等はその典型です。世界連邦構想は本来、国連がその役割を果たすべきなのに、むしろ逆行する昨今の動きは悲しむべき状況です。

去る六月七日の総会・理事会に出席した時に、国際刑事裁判所問題日本ネットワークヘの参加呼びかけパンフレットが入っていました。日本政府は、国際刑事裁判所にまだ参加、批准をしていません。世界連邦が平和を実践し、戦争犯罪や集団殺害(ジエノサイド)を裁くことの運動に参加することは大切なことです。

若い世代が平和問題等に無関心だと嘆く人がいますが、その最大の原因は、平和という一般論から具体的な問題提起がないからだと思います。私は、具体的課題をもって行けば、若い世代が参加し、新しい息吹が生まれると確信しています。

石川県の原水禁運動も最終的には分裂しましたが、全国的に一番最後になったのは、世界連邦が原水禁運動に参加していたことが大きな要因でした。

そのような過去、現在、未来を見つめながら、多少なりともお役に立てばと考えています。