アフリカ連合(AU)の発足を喜ぶ

世連石川県連合会事務局長 橋本 義守

世界連邦石川 28:8(2002.8.10)



2002年7月9日アフリカ連合(AU)が発足した。参加国13ヵ国というから、大変大きな組織である(EUは現在15ヵ国)。既存のアフリカ統一機構(OAU)の後続組織であるが、ヨーロッパ連合(EU)の歩みを充分参考にしての発足と思われるので、よもや途中で瓦解という事態も起きないと思い、私ども世界連邦を目指して運動している者にとっては、嬉しく力強い限りである。ただし今後の課題も多いといわれている。前身のOAUは各国の主権を専重しなくてはならず、紛争解決に力を発揮できなかったが、今度のAU創設規約は加盟国への介入を可能にし、常設平和維持軍の設置も視野に入れているというから頼もしい。

また、AU構想の生みの親であるリビアのカダフイ大佐は、首脳会議で域内関税の撤廃を提言したと伝えられている。ただ広いアフリカには、旧宗首国から解放独立した後も、宗教対立、民族対立、国境対立といった紛争が絶えていないし、独立以来何十年も独裁政治を続けている豪の者がいる。リビアの最高指導者カダフイ大佐や、ケニアのモイ大統領、ジンパブエのムガベ大統領といった人たちが、民主穏健派の指導者たちと、権力争いなく、うまく協調して行けるのかどうかが今後の課題であろう。

新設された「平和安全保障理事会」や「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」という機関が強力な指導力を発揮し、先にアパルトヘイト政策を捨てて、白人政権から黒人政権へ民主的移譲に成功した南アフリカを希望の星として、各国が自立の道を進んでほしいと思う。EUに続いてAUが発足したとなると、次は何としてもアジア連合である。私どもの双肩にかかっていると思う。