世界連邦運動協会会長 植木 光教
世界連邦石川 27:1(2001.8.1)
石川県連合会の皆さまには、世界連邦運動振興・発展のために献身的にご尽力をいただき、深く感謝しております。 世界連邦運動協会の本年度定例総会は、5月22日、東京・神田の学士会舘で開催され、宣言を採択しました。同宣言は、本年度の重点活動として三項目を挙げております。 第一は、「世界連邦実現国会決議」の推進です。終戦直後の1945年12月、本協会初代会長の尾崎行雄(咢堂)先生が当時の帝国議会に提出されて以来、「国会決議」は日本の世界連邦運動者の悲願であります。半世紀余を経て、昨年、衆議院に「世界連邦実施に関する決議案」が、提出者9名、賛成者58名の各党派代表的議員の署名を得て提出されました。議院運営委員会で審議されましたが、会期末の与野党対立のあおりを受け、審議未了となったことはまことに残念でした。しかし、同決議への機運は年毎に盛り上がりつつありますので、世界連邦国会委員会とより連携を密にして、一日も早い可決のために全力を傾けております。 第二は、「国際刑事裁判所」の設立促進です。1998年7月、ローマにおいて、大量虐殺や人道に対する罪、戦争犯罪などを犯した個人を裁く国際刑事裁判所規程が採択されました。同裁判所は、国家を対象とする国際司法裁判所と異なり、個人を対象としており、世界法を個人に直接適用するという世界連邦の基本原則への第一歩となるものであります。しかし、日本は未だ同規程に調印も批准もしておりません。国内法との調整が必要というのがその理由のようでありますが、平和国家を標榜するわが国こそ早急に同規程を承認し、加入手続きを取るべきであり、政府や国会、各政党に強く働きかけを致しております。 第三は、「戦争放棄の憲法第九条の護持と世界各国への普及」です。"日本国憲法"施行から54年を経て、不備な点が生じていることは確かでありましょう。しかし「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めた第九条は、あくまで護持すべきだと信じます。また世界各国の憲法に、同様な条項が盛り込まれるようあらゆる力を傾注することが大切だと思います。 「正義と秩序を基調とする国際平和」とは、「法とそれに基づく制度による永続的な平和」と言って差しつかえありません。それを達成する方途は世界連邦建設をおいて外にはありえません。われわれは憲法九条が世界連邦を前提としていることを再確認したいと思います。21世紀を「平和の世紀」にするために、すべての国が戦争放棄を宣言し、世界連邦の実現へ第一歩を踏み出すよう促す決意を新たにしております。 石川県連合会皆さま方の更なるこ奮起とこ努力を心よりお願い申しあげます。 |