石川県知事 谷本 正憲
世界連邦石川 23:1(1996.9.1)
昭和32年8月に世界連邦建設同盟石川県支部が結成されて以来、世界の恒久平和の実現をめざして活動を続けてこられた会員の皆様方に心から敬意を表します。 ソ連の崩壊などで冷戦が終結した後、国際社会では国連を中心とした各国協調による新たな世界秩序を構築するための努力が続けられていますが、民族や宗教などに関わる局地的な地域紛争が発生し、その解決は容易でなく大変険しい道のりとなっております。また、地球温暖化やフロンによるオゾン層破壊問題など、これまでの開発行為により破壊された広範な地球環境の回復保全も、新世界秩序構築のため克服されるべき重要な課題となっており、21世紀へ向けての世界平和への働きかけと地球規模の環境問題への取り組みがますます重要視されています。 石川県としても、世界における本県の役割を意識し、単なる国際交流を脱した一歩踏み込んだ国際協力を進め、国際貢献に努めていくことが極めて重要であります。幸い、本県では加賀百万国の藩政時代から現在に至るまで伝統工芸や伝統文化を育むとともに、新しい文化資産の創造に努め重層的な文化の集積を誇っています。また、白山をはじめとする豊かな自然や良好な生活環境の保全に努めてきた経験を有しております。このような本県が得意とする分野において持てる技術を活用し、開発途上国の経済発展や学術の振興、国際機関への支援などを拡充し、世界の平和と繁栄のため積極的に貢献していくことにしております。 世界連邦建設同盟石川県支部の会員の皆様方には、その意義深い活動を通じ、世界平和の実現にさらに寄与されることを期待いたしますとともに、ますますの御健勝を祈念いたしまして、「世界連邦石川」第23号の発刊に寄せる言葉とさせていただきます。 |