2001/12 〜 2002/5
No.1 セト研情報掲示板の再登録投稿者名: 平口 投稿日時: 2001/12/25(Tue) 14:42 忙しさにかまけて当情報掲示板を放置しておいたら、削除されてしまったようです。再登録しましたので、アドレスが変更になっています。 |
No.2 日本海セトロジー研究第11号投稿者名: 平口 投稿日時: 2001/12/29(Sat) 23:03 日本海セトロジー研究第11号が刊行されました。 目次: 1.日本海沿岸の漂着海棲哺乳類調査報告-1999.1.1〜2000.4.30- 田島木綿子 2.佐渡海峡における佐渡航路船(佐渡汽船)による鯨類目撃記録の解析(1994年4月〜1999年10月) 本間義治・古川原芳明 3.九州沿岸における鰭脚類の漂着・迷入・混獲について 蛭田密・濱野真 4.大型鯨類のライブストランディング-その問題と対応- 石川創・荻野みちる 5.新潟近海(日本海)における海生哺乳類のジェットフォイルとの衝突ならびに漂着に関する研究余禄-T(英文) 本間義治・牛木辰男・武田政衛・進藤順治 6.北西海岸インディアン諸民族のシャチ観の相違 高橋景子 7.山形県の地質と鯨類化石の概要 長澤一雄 会員外には有料配布いたします。 価格:1冊1000円(2〜8号は500円、9号から1000円) 送料:240円 ご希望の方は下記にお問い合わせ願います。 日本海セトロジー研究会 事務局 佐野 修 〒923-1222 石川県能美郡辰口町徳山600 いしかわ動物園 TEL 0761-51-8500 FAX 0761-51-8504 |
No.3 投稿は仮名でもいいことに投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/01/07(Mon) 13:33 これまで実名での投稿をお願いしてきましたが、仮名(ハンドル名またはニックネーム)でもよいことにいたしました。当掲示板にふさわしくない内容の投稿については、事前に連絡することなく削除いたしますので、よろしくお願い申し上げます。 |
No.4 マッコウクジラのマス・ストランディング投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/01/30(Wed) 13:06 鹿児島の海岸に漂着したマッコウクジラのマス・ストランディングに馳せ参じた山田格氏の投稿をイルカ・グループのメーリング・リストで拝見しましたが、なかなか対応が難しいことがよくわかります。1頭だけでもたいへんなのにあれだけ漂着するともうお手上げですね。この経験をもとに建設的な議論がまきおこることを期待しています。 |
No.5 漂着クジラを食べた人の症例投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/02/16(Sat) 17:09 イルカグループとセト研の両MLで以下のような質問をしました。 クジラのライブストランデングのたびに、一般の方から「食用にすることはできないのか」という質問があり、病原体に汚染されている惧れがあるからだめだというその筋の答えがあるということが繰り返されています。古来、新鮮な漂着クジラは食用にされてきたのですが、それを食べて病気になったという具体的な事例をご存じでしたら、お教えいただきたいのですが。 |
No.6 Re: 漂着クジラを食べた人の症例投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/02/16(Sat) 17:26 これまでに5通の返信をいただいていますが、具体的に症例をお知らせくださったのは3通です。以下に抜粋して紹介しておきます(公にしてほしくない例は除外しておきました)。 1.Stepan P. Krasheninnikov,1972,Exploration of Kamchatka:1735-1741,Oregon Historical Society, Portland.この英語版の164頁に直接目撃した症例が記述されている。この事例は新鮮な漂着クジラを食べた事例ではないようだ。細菌毒による中毒症状と思われる。 2.昭和40年代、北海道で漂流していたツチクジラ?の死体を水揚げし、流通させたところかなり広範囲で食中毒が発生した事例(札幌?)があるが、精確な日時が特定されていないため、データベースには登録されていない。 3.大正3年(1914)、新潟県東頸城郡柿崎町(久戸浜・雁子浜)におおきなクジラが漂着し、それを食用にしたところ下痢をしたという話。 なお、食べて大丈夫だったような話もありました。 ・明治45年(1912)3月13日、新潟県東頸城郡柿崎町(上下浜)にナガスクジラ(推測)が漂着し、それを地区の住民が販売をして、小学校の建設費に充当した。 |
No.7 イルカグループMLの登録申込み先投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/02/25(Mon) 20:13 セト研の会員メーリングリストは会員用のものですから、会員以外の方の登録はできません。なぜそうしたかと申しますと、イルカグループという、誰でも登録申し込みのできる鯨類関係のMLがすでにありますので、この種のMLが乱立するのは効率がわるいと判断したからです。 イルカグループのMLは、セト研の会員でもある吉岡基氏(三重大学生物資源学部)が管理しています。 ストランディング情報がリアルタイムに流されているほか、英文文献のリストも吉岡氏によってたびたび紹介されています。 |
No.8 捕鯨史に関心のある方へ投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/02/25(Mon) 20:50 新装開店した「無煙喫茶」で、捕鯨史に関連した投稿をしておきましたので、関心のある方はぜひご覧ください。 |
No.9 漂着カズハゴンドウを食べた話投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/02/28(Thu) 18:23 茨城県波崎町のカズハゴンドウ集団漂着に現場対応された方々、お疲れさまでした。 当方が読んだ2月26日毎日新聞朝刊記事には、<同町では24日にもカズハゴンドウ二十数頭が打ち上げられ、この時はクジラを軽トラックなどで持ち去る人もいたという。「これまでもクジラが打ち寄せられることがあり、自宅へ持ち帰っていた。今回も煮て食べた」という住民もいた。>と書かれています。 「縄文時代のイルカ漁」を研究しているものですから、どうしても「助けた話」よりも「喰った話」の方に目が行ってしまいます。そこで、イルカグループMLで、「上記の情報の信憑性についてご存じの方はお知らせいただけませんでしょうか」と問い合わせましたら、二人の方から情報が寄せられました。 1)食べた人を取材したテレビインタビューのビデオ録画を持っている。 2)ワイドショーで実際に食べた人の話を取材していた。「固かった」という人が何人もいた。一人はレポーターを自宅にあげ、大根と一緒に煮込んだものを見せていた。 なお、昨年2月、やはり波崎町でカズハゴンドウのマスストランディングがあったが、その時、食用に切り取られた残骸がたくさん残っていたとのこと。 また、その1〜2週間前、やはり茨城でアカボウクジラが漂着した際、食べることを目的として集まった住民が、調査が終わるのを順番を作って待っていたとのこと。 昔ながらの光景ですね。 |
No.10 Re: 漂着カズハゴンドウを食べた話投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/02/28(Thu) 18:31 というような話をセト研MLでも紹介しましたら、さらに以下のような情報が寄せられました。 ・銚子(千葉)〜いわき(福島)あたりでは、「はものわたし」といって小魚やイルカが浜に打ち上げられると、いまでも食べてしまう習慣がある。冬場に漁に出られない時には、昔からありがたいものだったようだ。 |
No.11 日本伝統捕鯨地域サミット−長門−投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/03/04(Mon) 13:23 来る3月21日、山口県長門市で開催される日本伝統捕鯨地域サミットについての記事が掲載されています。 |
No.12 漂着クジラを食べていいかどうかの議論投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/03/06(Wed) 12:37 漂着クジラを食べていいかどうかの議論が紹介されているという情報が、イルカグループMLのメンバーから寄せられました。 |
No.14 「熊野や伊勢などでは紀元前1000年から捕鯨」?投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/03/11(Mon) 16:04 太地町立くじらの博物館を紹介した記事があるのですが、誤った紹介をしています。「熊野や伊勢などでは紀元前1000年から捕鯨が行われていたという」と紹介している点です。 くじら博物館のサイトに掲載されている年表には、「A.D.1000〜1100年 熊野・伊勢・尾張では、セミ・ザトウ等の大型鯨は単発的に、ゴンドウ等の小型鯨はそれ以前から捕られていた」 と記されているのです。つまり、紀元前ではなく、紀元1000年なのです。 なお、紀元前1000年は今から約3000年前ですから縄文時代後期末〜晩期初に相当します。このころに大型鯨類の積極的捕獲が行われていたという証拠はまだ発見されていません。ただし、縄文時代にイルカ漁が行われていたということは明らかにされています。 以上のことは、msnトピックスの管理者にお知らせしておいたのですが、3月11日現在、まだ訂正されていません。 |
No.15 Re: 日本伝統捕鯨地域サミット−長門−投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/03/27(Wed) 22:41 このサミットの講演で、私は最後に以下のように述べました。 1)すでに縄文時代早期(約9000〜6000年前)にイルカやクジラを食べていた。 2)遅くとも縄文時代前期後葉(約5000年以上前)にはイルカ漁が行われていた。 3)遅くとも弥生時代中期(約2000年前)にはクジラ漁が行われていた。 4)日本食の多様性は縄文時代以来の伝統である。 ところで、ある本にスコットランド「アウターヘブリデス島での手銛によるイルカ漁」が1万年以上の昔にさかのぼるかのようなことが書かれていました。1万年以上前というのは初耳なものですから、あるイギリスの動物考古学者に問い合せてみたところ、スコットランドの遺跡から出土した鯨類骨の最古のものは、7000年〜4000年前の中石器時代に属するもので、しかもこの年代推定は正確なものではないとのことでした。また、アウターヘブリデス島付近の海底から骨製銛が採集されているのは事実ですが、1万年以上前のものだとは断言できません。それに、鯨類の骨が出ているというだけでは積極的に捕獲したという証拠にはなりません。 縄文時代早期の年代ですが、上限については10000年前とする人も9500年前とする人もいます。こうした違いは、年代推定に用いられる理化学的年代測定値に誤差やバラツキがあるからです。いずれにしましても、遺跡からの鯨類骨の出土例は、確かな証拠によるかぎり、いまのところ日本のほうがヨーロッパよりも古いということがご理解いただけると思います。また、証明された先史イルカ漁という点でも、いまのところヨーロッパよりも日本のほうが古いといえましょう。 |
No.16 セト研第13回(東京)大会投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/04/16(Tue) 21:47 セト研第13回(東京)大会は、6月8・9日という当初予定を変更し、6月15日(土)・16日(日)に国立科学博物館新宿分館で開催されることになりました。15日午後の特別講演は、マッギール大学人類学部のジェームズ・サベール先生(民博客員教授)にしていただく予定です。正式のご案内は、追ってお知らせいたします。 |
投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/04/18(Thu) 20:21 セト研第13回(東京)大会の案内をとりあえず掲載しておきましたので、ぜひご覧いただき、お誘いあわせご参加ください。 |
No.18 セト研第13回(東京)大会案内の変更投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/05/12(Sun) 23:27 セト研第13回(東京)大会のビデオショーに変更が生じました。 なお、特別講演などの演題については、近日中にお知らせします。 |
No.19 セト研第13回大会特別講演・上映ビデオの題目投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/05/14(Tue) 21:30 セト研第13回大会の特別講演ならびに上映ビデオの題目は以下のとおりです(若干変更の可能性はあります)。みなさま、お誘いあわせご出席ください。 ◇特別講演 演題: Zooarchaeology and Paleobiogeography of Bowhead Whales in the Canadian Arctic and Alaska (通訳あり) 講師: James M. Savelle McGill University, Canada(国立民族学博物館客員教授) ◇Brice Ben Hobbs製作ビデオの上映 題名: An Introduction to the Western Pacific Gray Whale (通訳あり) なお、発表申込み締め切りを5月21日(火)に延期しました。会員以外の方でもポスター発表をすることができますので、ふるってお申込みください。 |
No.20 長門サミットの紹介サイト投稿者名: 平口 投稿日時: 2002/05/21(Tue) 17:12 鯨ポータル・サイトというホームページの下位に設定されたクジラTOPICSに長門サミットのことが写真入りで紹介されています。 私は講演で縄文時代における大型鯨の捕獲可能性についても言及したのですが、そのことについても簡単に紹介されていますので、少し補足しておきましょう。「縄文時代にはロープがなかったから大型クジラを捕獲などできるはずがない」と主張する人がいるものですから、「そんなことはありません。金沢市新保チカモリ遺跡や能都町真脇遺跡から出土した巨大木柱の根元には、運搬の際の縄掛け用に彫った太い溝がついています。青森の三内丸山遺跡の巨大木柱建造物も丈夫なロープの存在なしに建てることはできなかったことでしょう」という主旨のことを述べたわけです。つまり、いまのところ縄文時代に大型クジラの捕獲が行われたとは断言できないが、可能性はあるということです。 |