第11回北國アマチュア美術展
1962年3月10日〜14日 丸越デパート7階ギャラリー



    【北國新聞記事 1962(昭和37)年3月15日】

40人、ほお染めて 
丸越で北国アマ美展表彰式

10日から14日まで金沢市の丸越デパート7階ギャラリーで開かれていた第11回北国アマチュア美術展(石川県美術文化協会と北国新聞社の共催、石川県、金沢市など7市、金沢商工会議所後援)の表彰式は14日午後、会場で行われた。

県知事賞を受けた金沢市の平口幸枝さん(41)ら各部の入賞、入選者約40人のアマチュア作家が出席した。

北国新聞社八田事務局長から賞状と賞品がそれぞれ手渡された。また審査員を代表して美大教授北田塔次郎氏から「第11回をかぞえた北国ア美展は年々作品の質が向上してきた。ただ一部の作品には模倣的なものがあるが、各自の技法で作品ととりくんでほしい」と審査評があった。

表彰式のあとアマチュア作家のなかには審査員をかこんで作品の批評や指導をうける熱心な人もいた。
 
 

この絵は、母が洋画を始めてから間もない頃に描いたものである。母は、日本画ではプロであっても洋画ではアマチュアだからと、1959(昭和34)の第10回北国アマチュア美術展に応募したところ、いきなり石川県美術文化協会長賞を受賞した。そのことを母の知り合いが「指導の先生の手が加えられているからでは」などと軽口を言うものだから、1962年の第11回北国アマチュア美術展の際には、誰にも相談せずに作品を仕上げて応募したところ、なんとこれも石川県知事賞を受賞したのである。表彰式を報道した北國新聞記事に添えられた写真には、不鮮明ながら、この絵と母が写っている。

この絵のキャンバスは、旧・金沢市立野田中学校分校の敷地(現・金沢大学教育学部附属高等学校の敷地)のゴミ捨て場から拾った窓枠に布を張った手製のもの。母からもらって、旧宅(金沢市つつじが丘)の母屋に隣接した拙宅の玄関の壁に飾っておいたが、母が亡くなったあと、小将町の新宅に引っ越してから、キャンバスを張替えようと思って業者に相談したところ、布地が薄く、また塗られた絵の具の状態もよくないので張替は危険だとのこと。そこで、そのまま新しい額に嵌め込んでもらうことにした。上掲の写真は、拙宅の吹き抜けロビーの二階部分の壁に掲げた状態で撮ったものであり、ガラス入りの額のせいで、右手に窓際の様子が少し映っている。

 


華徳 金沢ひまわり平和研究室 管理者 平口哲夫