|
絶滅の危機に瀕しているコククジラ(Eschrictius robustus)の西太平洋個体群は,一時は絶滅したと考えられていたが,現状では100頭以下の個体数ではあるが細々と生き延びている.この個体群は絶滅寸前まで狩りたてられ,枯渇しかけており繁殖率も回復しているとはいえない―仔クジラの一年生存率は40%未満である.このビデオで示されているようにコククジラの西太平洋個体群は人類活動に起因する多くの困難に直面している.最も深刻なのは,夏期の摂餌海域において進められている石油と天然ガスの開発である.このロシア共和国サハリン島東部沖の海域はアメリカとロシアの熱心な研究者達の人里離れたサマーホームになっている.アメリカ側はデイヴィド・ウェラとロバート・ブラウネル博士,ロシア側はアレクサンダ・M・ブルディン博士が,このティームを率いている.この短いビデオの目的はドキュメンタリー番組制作の計画の可能性を示しながらこの個体群を紹介することである。さらにロシア共和国サハリン島から南シナ海のどこかにあるまだ知られていない繁殖海域への回遊経路に焦点を当てることになろう.回遊範囲に相当する国々はロシア,日本,北朝鮮,
韓国,中国である.
訳者 山田 格(国立科学博物館)
|
| ビデオ製作者の略歴:ブライス・ホッブス氏はRhode Island School of Design,Brown Universityで芸術やビデオ制作,University of Rhode Islandで生態学を学ぶ.生態学への理解を基礎にした人類と自然の関わりをテーマとするビデオ制作を目指している. |
| 第13回大会発表要旨集 |